著者: 長嶋りかこ / 発行:村畑出版 / B6判(188mm×128mm) / 240P / ソフトカバー(ブックジャケットなし) / 2024年7月発行
38歳で子を産み母となったグラフィックデザイナーの長嶋りかこさんが自身の体験と思いを赤裸々に綴った私小説のようなエッセイ集。
出産から育児をするなかでままならない体と足並みの揃わない社会に翻弄され、仕事との両立に悩む日々。
子どもを通して見ている世界と、仕事を通して見えている世界から透けてきたのは、権力の上にあぐらをかいた資本主義と止まらぬ環境破壊、ジェンダーの不平等といったものだった。そして、立ち往生しながらも前に進む著者。子どもが手をひいて連れて行ってくれる、土の匂いがする景色。かつて自分も知っていた、あの曲線の景色。
直線と曲線がともに滲むような景色を追い求め、色と形に辿りつかない日々を模索する──。
〈目次〉
想定外の曲線
四角くて軽くて早い まあるくて重くて遅い
期待される自然な形
産まれたての赤
混乱の白い血
見えない仕事 見えない性
母のグラデーション
変形するひと 変形しないひと
命の結び目
色と形