著者:ジョン・バージャー , 写真:ジャン・モア , 訳者:金聖源・若林恵 / 出版社:黒鳥社 / 四六変型判(198mm×128mm) / 256P / ソフトカバー / 2024年 5月発行
最も政治的で、最も先鋭的で、最も激しい告発をもって、最も気高い人間性を証明する。
ジョン・バージャー。
私たちが最も長く愛する作家。
──キム・ソヨン
(詩人/『数学者の朝』『一文字の辞典』ほか)
ジョン・バージャー(1926-2017)──小説家であり、美術批評家、ジャーナリスト、詩人でもあった20世紀英国文学における孤高の"ストーリーテラー"が、今から50年前に放った鮮烈なドキュメンタリー。欧州の移民問題を扱い、新自由主義経済の暴力の核心に迫った伝説的「告発の書」、待望の初訳。
*ジョン・バージャー
1926年ロンドン生まれ。小説家・批評家・画家・詩人。1972年、英国BBCで企画/脚本/プロデュースのすべてを担当したTV番組4部作「Ways of seeing」で広く存在を知られる。同名書籍は美術批評界の金字塔とされ、欧州市民の多くがアートや文化理論を理解する契機を得たとされる。同年小説『G.』でブッカー賞を受賞。70年代からフランス農村に拠点を移し表現活動を続け、2017年に90歳で逝去。主著『イメージ──視覚とメディア』(伊藤俊治訳/ちくま学芸文庫、2013年)、『G.』栗原行雄訳(新潮社、1975年)、『果報者ササル』村松潔訳(みすず書房、2016年)、『批評の「風景」ジョン・バージャー選集』山田美明訳(草思社、2024)など。
*ジャン・モア
1925年、ジュネーヴ生まれ。ドキュメンタリー写真家。赤十字国際委員会(ICRC)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA)等の人道支援団体と帯同し、その記録作品で知られる。ジョン・バージャーと50 年に渡る親交のなか多くの共作を残したほか、エドワード・サイードとの共作でも知られる。戦地の人びとの目線を記録したその写真の多くは、現在スイス・エリゼ写真美術館に収蔵されている。日本でも過去に二回、広島 平和記念公園で野外写真展が開催された。2018年に93歳で逝去。主著『果報者ササル』(ジョン・バージャーとの共著/村松潔訳/みすず書房、2016 年)、『パレスチナとは何か』(エドワード・サイードとの共著/島弘之訳/岩波書店、1995年)など。