文と絵: 小野節郎 , 協力:小野哲平・早川ユミ , 写真:河上展儀・大沼ショージ , 編集・造本:信陽堂編集室(丹治史彦 井上美佳) / 発行:信陽堂 / B6変型判(160mm×113mm) / 176P / ハードカバー / 2023年8月発行
「たくさんの きれいなものを うみだした人」
水彩で山野草を描き、匙やかんざしを木から削り出し、手びねりで土人形を作る。愛媛県松山市の病院で長くレントゲン技師を務めるかたわら、自らの美意識に導かれるままにさまざまな作品を生みだし、「セツローさん」の愛称で親しまれた小野節郎さんは、すぐれた書き手でもありました。
本書には生前に残した私家版の随筆集2冊から19篇のほか、スケッチや造形作品も合わせて収録され、滋味深く時にユーモラスな語り口で描かれる昔日の光景、家族の思い出、日々のできごとがしみじみと綴られています。
巻末には陶芸家の子息、小野哲平氏が父セツローさんとの思い出を描くエッセイを寄稿。文庫よりひとまわり大きなサイズの上製本で、セツローさんのお人柄をうつしたような、可愛らしい一冊。