





著者: 津村記久子・岡田利規・町田康・又吉直樹・大崎清夏 / 発行:palmbooks / A6変型判(137mm×110mm×20mm) / 152P / ハードカバー / 2023年8月発行
「あなた」と「きみ」をめぐる5つの“てのひら”の小説たち(パームストーリーズ)。津村記久子、岡田利規、町田康、又吉直樹、大崎清夏の5人の書き下ろし掌篇が楽しめるてのひらサイズの一冊。
〈収録作品〉
津村記久子「六階を見習って」
あなたが私に寄越してくれたさまざまな物が、もしその時に手に入らなかったとしたらと考えると、ちょっと恐ろしいなという気がしてくる。
岡田利規「一月、生暖かい月曜日の午後のこと」
なんであれば出来事とも呼べないかもしれないくらいのもの、きわめてうっすらとした出来事のようなものからでさえ、忘れがたい印象をふいに得る、ということはきみにももちろん時々起こる。
町田康「言ひ譯」
此の度は機会を与えてくれてありがとう。本当に感謝している。(...)
そんな僕がつい、本当に、と書いてしまったのはマジで貴殿に感謝しているからだ。
又吉直樹「行列」
あなたは引っ越してきたばかりの街を一人で歩いている。真っ直ぐな道の果てに寺院と思しき白い塀が見える。
大崎清夏「眼鏡のバレリーナのために」
茂呂来さん、茂呂来さん、聞こえますか。(…)きっとそちらはいま、おくつろぎタイムですよね。