













著者:大桃洋祐 / 出版社:セルフパブリッシング / B6判 (188mm×134mm×15mm) / 100P / ハードカバー(ブックジャケット無し) / 2021年 7月発行
2020年も始まった頃だったか、SNSでふと目にしたGIF画像のアニメーション。「雪とホットチョコレート」と題されたそれは、カフェと思しきビルの一室で本を読みながら温かいホットチョコレートを飲む女性と、窓の外のしんしんと降り積もる雪の対比が印象的で、時間も忘れてずっと見入ってしまったのでした。作者が大桃洋祐というアニメーション作家だということを知ったのはその時。それまでもNHKのテレビ番組で大桃さんのアニメーションは目にしていたであろうに、感じがまったく違っていたのである。そして秋には初の絵本「ぼくらのまちにおいでよ」(小学館)が刊行され、僕はすっかり大桃さんのファンになってしまったのだ。
この作品集は、2021年の7月に、東京で開催された大桃洋祐個展「DANCE LESSON」で描かれた作品45点を収録したもの。街や人物、動物に乗り物、本のあるシーンなどが、海外作品を思わせる特徴的なタッチで表現されて、見る者の心があたたかな感情でいっぱいになることうけあい。ページをめくるたびに自分の中の感情が楽しく踊っているかのような——そんな気持ちになれる一冊です。
*大桃洋祐(おおもも・ようすけ)
1985年、千葉県生まれ。東京藝術大学デザイン科・大学院卒。大学院修了後フリーランスのアニメーション作家として、「おかあさんといっしょ」(NHK Eテレ)等のテレビ番組や「ティファニー×ゼクシィ」等のプロモーションムービーのアニメーションを制作。イラストレーターとしても活動中。